第3回 覚せい剤の乱用文化は日本起源だった

 松本さんが所属?#24037;?#22269;立精神?神経医療研究センター精神保健研究所は、研究所とはいえ、病院も併設しており、松本さんは臨床の仕事をしつつ、治療プログラムの開発と普及を行う立場だ。

 治療対象は、もちろん、流行り廃りはありつつも、覚せい剤依存が一番大きなものだという。お話を伺った2017年2月末の時点では、7割方が覚せい剤とのことだっ?#20426;?/p>

 ここまで乱用される覚せい剤には、どんな背景があるのだろうか。

「実は、覚せい剤、つまりアッパー系の元気が出るいけない薬物は、ほとんど日本独自の乱用文化だったんです。1800年代の終わりに東京帝国大学の薬学部の教授が、喘息の薬として開発したもので?#24037;貳?#25126;前ではうつ病の治療なんかにも使われていまし?#20426;?#31532;二次世界大戦中には、軍需工場で夜通し働かせたり、神風特攻隊の人たちがそれをキメて突っ込んでいったり、軍需品として使われまし?#20426;?#25126;争が終わってその軍需品が放出される中で、ヒロポンっていう商品名で流通して、小説家とか新聞記者とか学生みたいな人たちの中で、寝ずに仕事できる、勉強できる薬として広がりまし?#20426;¥餞欷恰?951年に覚せい剤取締法ができたわけで?#24037;琛?/p>

国立精神?神経医療研究センター、薬物依存研究部長の松本俊彦さん。
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 覚せい剤、アッパー系の薬物の乱用文化は日本起源!

 たしかに、20世紀なかばのアメリカの映画などで出てくる薬物、例えばヒッピーの若者たちが乱用していたのは大麻や麻薬や幻覚剤だっ?#20426;?/p>

「欧米なんかでは、大麻、ヘロインなどの麻薬など、ダウナー系のボーッと?#24037;毪玀韋韋郅Δ?#20154;気があったんです。ところが、アメリカでは1980年代なかばから、まずはコカインが流行し、それよりももっと安くて効きが強いメタンフェタミン、覚せい剤が西海岸を?#34892;膜?#24195;がりまし?#20426;?#26085;本では、法律によって規制されて、表向きは沈静化していたんで?#24037;?#36870;に地下に潜ってしまって、反社会的な勢力の収入源になってしまいまし?#20426;?990年代のなかばぐらいから少し流通経路が変わって、注射器を使わずに炙って吸入?#24037;毪玀韋膝銃い?#36870;輸入されるようになりまし?#20426;?#27880;射器のまわ?#21453;頦瀝荋IVが広がったりしたので、それを回避?#24037;?#27969;れです。最初はヘロインをアブリで吸入?#24037;?#26041;法が発明されて、それから覚せい剤のほうも続いたと言われています。?#25915;冤`ドとか、Sとか呼ばれるものです」

2017年9月号

本誌2017年9月号でも特集「脳科学で克服?#24037;?#20381;存症?#24037;?#25522;載しています。
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