第6回 もしも異星で生命が見つかったら何が起きる?

 東工大地球生命研究所の藤島皓介さんは、宇宙生物学者として、土星の衛星エンケラドス探査の準備を進めている。

 地球の生命の起源の話をさんざんしてきたけれど、ここではもう素直に、藤島さんのことを宇宙の研究者だと考えてよい。

 では、生物の専門家である藤島さんが、このような宇宙探査計画で担当?#24037;?#37096;分はどんなことだろう。

「二つあります。第一に、エンケラド?#24037;?#20309;をどれほどの精度で見つけられたら生命がいると言えるかという疑問に答えなくてはなりません。そして、第二に、サンプルの捕集とその後の分析をどう?#24037;欷?#25104;功させられるかです。複数の軌道計画をトレードオフした結果、現在のベー?#25915;楗ぅ?#26696;では、エンケラド?#24037;?#21608;回軌道に入らずに、エンケラド?#24037;?#36817;くを『フライバイ』、つまり通り過ぎます。このとき探査機とプリュームの間には秒速4キロ以上の相対速度があるため、エンケラド?#24037;?#28023;の底から宇宙空間に放出された微粒子に含まれているだろう有機物を、そうした超高速な衝突を経ても、いかに壊さずに捕まえて地球に持ち帰るか、あるいは探査機の中で、その場で有機物を微粒子から抽出、分離、分析できるように?#24037;毪趣いΔ長趣?#25361;戦しています」

土星の衛星エンケラドス探査の準備を進めている藤島皓介さん。
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 まずは第一の担当について。どんなものを見つけたら、エンケラド?#24037;?#29983;命がいると言えるのか。これが分からないと探査計画自体が成立しない。藤島さんの見解が問われるところだ。

「今、考えている生命徴候の候補は、実はペプチドなんです。その理由は、まず、その材料になるアミノ酸が宇宙において普遍的に存在している生命関連物質だからです。遠くの天体のガ?#24037;?#20013;にもあることが分かっているし、炭素質隕石の中からも見つかっています。比較的、単純な分子なので、例えば星間雲を模したガ?#24037;?#22645;(ちり)に放射線を当てる?#21462;ⅴⅴ攛?#37240;の前駆体ができることも実験的に分かっています。そして、アミノ酸はつながって『紐』、ペプチドやタンパク質になることで、さまざまな形状をとれます。ある種の金属と非常に親和性が高くて、電子伝達、酸化還元反応に?#24037;à郡輟ⅳⅳ毪い?#21270;学反応の触媒になるような分子にもなり得ます。で?#24037;欏ⅴⅴ攛?#37240;がつながった短いタンパク質、ペプチドをまずは見つけようとしています」

 タンパク質が鉱物を取り込んで、酸化還元反応を担うことについては、この連載の第3回を参照のこ?#21462;?/p>

 ただし、ペプチドがあったからといって、即座に生命発見! とはいえないだろう。というのも、ペプチド自体は、非生命的な化学反応でも生まれるからだ。生命由来のものと非生命的な反応に由来?#24037;毪玀韋頦嗓?#35211;分けるのだろうか。